S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
―――その日
要さんが帰ってきたのは、それから2時間ほどした後だった。
「おかえりなさい」
「いろはが先だったか」
「はい。だから、今日は私が料理作りました」
絶対要さんにはかなわないけど……
だからって、静かに待っている私ではない。
そう思っていると、要さんはふっと笑う。
その笑みを見ていると、先ほど槙野さんといたときの要さんの笑った顔がやけに思い出される。
(あれは何だった? もしかして、『やり直そう』とかそういう話じゃないよね?)