S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 やっと言えた。要さんに。
 変でも、それでも……要さんと向き合って、要さんに伝えたいって思ったから。ちゃんと好きだと思った相手だったから。


 要さんは私の顎に手をかけると、そのままキスをした。

「んっ……」

 それからすぐに唇を離され、まっすぐ要さんは私を見る。

「いろは、俺はいろはだけを愛してる。過去も今も、未来もずっと」
「……はい」

 私はそのまっすぐな言葉に頷いた。

「だから、いろはがうちに来たきっかけが自分だと知って、結構……いや、相当、浮かれている」
「へ……?」

 私は顔を上げて要さんを見る。
 そうするとすぐに要さんは熱い目で私の視線を絡め取った。
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