S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
私は自分が耐えきれずに目を瞑ると、要さんの唇に自分の唇を重ねた。
「……んっ」
温かい、でも、柔らかな感触。
この感触に慣れ、温かさが気持ち良く、いつの間にか心地よいとまで思っていることが不思議だ。
(あの大胆なキスのせいかなぁ……)
気付いたらいつもより長くキスしていたらしい。息が苦しいくらいになっていて、それが不思議な事に自分でも気づいていなかった。
そっと唇を離すと、要さんは私をまっすぐ見ていた。私はその瞳に緊張し、それから、おずおずと口を開く。
「こ、これでいいですか……?」
「あぁ、上手になったな」
微笑んでそう言われると、仕事で褒められた時と同じように心が弾むようだった。