S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
そんな恥ずかしいことを考えていると、要さんはクスリと笑って、私の額に口づける。
「そうだな。昨日まであれだけ慣らしておけば、」
思わず、私は要さんの口を思いっきり手で覆っていた。
(この人はっ……!)
要さんは目を細めて、私の手を簡単にはがすと、そのまま、まるで子どもに言い聞かせるように私に言う。
「こら、いろは。だめだろう。どうして口をふさぐんだ?」
私はむっとして口を開いた。
「最低っ! 前から思ってたんですけど、どうしてそんな恥ずかしいことを堂々と言えるんですかっ! 性格悪い!」
「やっぱり、いろはは照れると暴言吐くんだな」
「これで照れない人がどこにいましょうか!」
「最後ぐったりしてたけど、少し元気になったようで良かった」
「自分がそうした人が言うセリフですか」
(何が良かった、よ!)
確かに気持ちよかった。気持ちよかったけど、物事には限度がある。
声が枯れてきても、私の身体が限界を超えても、要さんは私を抱き続けた。
一晩で何回するのが正解か分からないけど、これは正解ではない気がするのは確かだ。