S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

「ハハ、すまないな」

 要さんは微笑んで言う。
 この笑顔と謝罪が非常に有害だ。

「またすまないって顔してない」
「合意の上だろ」
「確かに合意はしましたが!」

 そう言って、目が合う。
 そうするともうだめだ。

 二人引き寄せられるようにキスをする。
 それから、額を合わせるとどちらからともなく笑ってしまう。

 幸せ。
 今、ここに、要さんといられて。

「いろは、愛してる」
「私も」

 手を絡めて、またキス。それから舌が滑り込んできて、当たり前のように舌も絡め合う。

 手をつなぐこと、キスをすること、舌を絡め合うこと、身体に触れること、人を好きになること……

 そして、要さんと一つになること。

 これまで知らなかったこと、全部要さんが教えてくれた。
 その意味だって、もう本能で分かってる。
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