S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
少なくとも記憶があるのは、5回目くらいまで……。そう言いたいけど、さすがにそれは恥ずかしくて言葉にできない。
でも、そう言いたいことが分かったのか、要さんはニヤリと笑って「あぁ」と頷いた。
私はその顔を見て、慌ててぐるりと方向転換、のちにベッドからの脱出を試みる。
しかし、当たり前のようにベッドに引き戻されて両手を取られたと思ったら、ぎゅう、と手を握られたままベッドに縫い付けられた。
「すみません、要さん。私、そこまでは覚悟はしてな……んんんっ!」
言いかけた言葉はキスでふさがれる。
長い長いキスの後、やっと唇が離れて文句を言おうと口を開くと、要さんはまっすぐ私を見て言った。
「これから何があっても、俺はいろはを離さない。一生愛し抜くから」
要さんのその言葉は、素直に嬉しいと受け取っていいものか……本気で悩んでしまいそうになる。
しかし結局、そんなことも考えられないほどその日も朝から要さんは私を抱きつくしたのだった。