S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「そうですか」
「いろははかわいい」
「はい。そうですね」
思わずそう素直に返すと、会長の眉が動く。
「……はい、だと?」
俺は前置きをせずに、ここに来た理由を伝えることに決めた。
「私はいろはさんに好意を抱いています」
「随分、はっきり言うんだな」
「そこは間違いのない自分の気持ちなので」
「いろははそのことを知っているのか」
「知りません。一応、上司と部下に当たるので今は伝えていません」
そういうと、会長はまた眉を寄せる。
俺はそれが分かっていたが、続けた。
「しかし、きちんとした見合いとなれば別です。北条グループの跡取りとして、七瀬モーターズの七瀬いろはさんとお見合いをさせていただけないでしょうか」