S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
それから、俺はまっすぐ顔をあげると
「では見合いくらいは申し込めばさせていただけますよね? うちのグループなら条件もいいはずです。いろはさんと一緒になれたら、私は祖父の跡も継ぎたいと思っています」
「だめだ」
これでもだめか。
ふぅ、と息を吐く。それからまっすぐ会長の目を捉える。
「では、いろはさんにあなたの思いをすべてお伝えしましょうか?」
思わず意地悪く言うと、会長は困ったように眉を寄せた。
「だめだ。今まであれだけ厳しくしていて……そんなことが知れれば」
「では、いろはさんには言いませんので、どうすればいろはさんとお見合いをさせていただけるのかだけ教えてください」