S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
三堂さんは当たり前のように微笑む。
「あらぁ、七瀬さんの許可がやっと下りたんですね。部長」
「あぁ、やっとな」
「な、なんで……! なんで……! なんでみなさん知ってるんですか!」
慌てる私の隣では、如月さんは「結婚……」と呟き続けている。
「ここは天下の人事部よ。わかるわよ。って言っても分かったのは最近だけどね」
三堂さんが言うと続ける。
「そろそろ全体の人事手続きの更新がある時期でしょう。それで部長に頼まれて、手続き関係をみんなで整理してたのよ。その中の書類であれって気になって、あとで部長に確かめたってだけ。あ、そう言えば如月と七瀬さんはその時、北海道に行ってたんだっけ」
「あの頃ですか!」
私がいうと三堂さんは微笑む。
「っていうか確かめられたって……部長!?」
「秘密にするってルールなだけで、勝手にバレた分には関係ないだろ」
「だからってぇ……なんでまたそれも黙ってたんですか」
そうは言ったが、なんだかほっともしていた。
こうしてみんながもう当たり前に受け入れてくれていて……。