S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
―――夜。
私は、ベッドに入って早々に押し倒され、天井と要さんを交互に見ていた。
要さんは当たり前のように、私のルームウェアを脱がせながら全身にキスを落とす。
私は要さんの唇が首筋に落ちていくとき、やっぱり腑に落ちなくて、眉を寄せて口を開いた。
「まだなんか、騙されてた気分なんですけど」
「まぁ、いいだろ」
「っていうか、どうして副社長になること言ってくれなかったんですか!」
私はガバリと身体を起こして要さんに言う。
それから、すっかり裸になっていたことに気づいて慌ててシーツを身体に巻いた。
「本当に今日決まったんだ。三堂が勘が良すぎるだけ」
そう言われてしまうと、確かにそうかもしれない。
口ごもって、それからぽつりとつぶやいた。
「……私、要さんがいなくなるのは不安です」
「大丈夫だよ、いろはなら。それに新しくやってほしいこともある」
その言葉に思わず顔をあげた。