S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

「何、ですか?」
「うちの社内保育所の整備。オープンは一年後」
「へ……?」

 思いもよらなかった言葉に私はきょとんとする。
 すると要さんはそんな私の様子を見て、目を細めて続けた。

「もともとその話はあげてたんだよ。いろはだけでなくて他にも同じように続けたいって思った社員が続けやすい環境をもう少し整えたくてな」

 そう言われて、じわじわと嬉しさがこみあげてくる。
 これから先、子どもを持ったときに自分だって続けられるし、周りの人だって続けやすくなる……。

「ほ、本当に?」
「あぁ。予定通りにオープンが進めば、な。『頼んだよ。七瀬さん』」

 挑戦するような声。
 私は少しむっとすると返す。

「『はい、お任せください。部長』」

 私が言うと、あぁ、と要さんは微笑んだ。
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