S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 要さんは苦笑し、それから、注がれたワインを私に勧めてくれる。

「よければ、ワインも飲みなさい」
「要さんは?」
「車だからな」
「でも……」

 自分だけ飲むのも気がひけるし、できれば今日は一緒に楽しみたかったな。
 あまり二人でお酒を飲むことはない。いや、考えてみれば結婚してから一度もないかもしれない。確か、要さん、お酒は嫌いじゃなかったはず。結婚前だったけど、部の歓迎会で飲んでるのを見たことあるし……。

 戸惑っていると、

「いいから、せっかくお疲れ会だし」とまた後押しされる。私は微笑んで、「では少しだけ」と、ワインに口をつけた。

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