S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
車を停め、要さんは私をじっと見つめる。
(どうしたんだろ……)
私は首を傾げて、要さんを見た。
要さんもずっと仕事続きで疲れたのかもしれないな、とそんなことを思う。
「要さん? 疲れました?」
次の瞬間、要さん助手席前のダッシュボードに右腕をついて、私にそっとキスをする。
「……んっ」
酔ってるからか、キスのせいだからか、はたまたその両方か……顔がすごく熱い。
しかも、車内とはいえ、外でキスするなんて初めてで……正直に言えば私はそれに驚いていた。
でも、唇が離れた時、私は目の前の要さんの唇を名残惜しく見つめていた。
「こ……ここ、ベッドの上じゃないですよ?」
「あぁ、なんだか悪いことをしている気分だ」
「真面目一徹の要さんなのに」
またからかうように言うと、要さんはクスリと笑って、
「本当にそんな真面目な人間ならこんなところでこんなことしないのにな」
というと、また唇を合わせてきた。
それから、何度も何度も角度を変えてキスをされる。外でされるキスに、なんだかドキドキと心臓が大きな音を立て出して、収まる様子もなく苦しくなってくる。