S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 キスをやめてもらおうと、要さんの胸を押したら、その手を取られて座席に縫い付けられた。

「んんっ……! か、要さん、ちょ、待って……」
「ごめん、待ちきれない」
「っ……!」

 突然、口内に強引に舌がねじ込まれる。
 口の中を這う舌の感覚も、要さんの熱い息もやけに妖艶で、それに反応して身体は熱くなるのに、気持ちよさに目を瞑りたくなった。
 恥ずかしくて苦しいだけだったこの大胆なキスを、いつの間にか受け入れだした自分に気づく。

 唇が離れて、要さんが私の髪に遊ぶように触れる。
 そんな要さんの骨ばった指先を見て、それから要さんの目をまっすぐ見た。

(私はきっと酔ってるんだ……)

―――だから……。

「いまの、もう一回、して?」

 私は要さんに手を伸ばし、そう呟く。
 少しの間もなく、要さんは私の唇と口内を貪るようなキスをした。

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