S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

―――怖い……?

 怖いんじゃなくて……。
 私はふるふるとまた首を横に振る。違う。最初から全部、違うだけだ。

「……こ、これ以上、進む意味なんてない。どうして『要さんが言う通りに毎日子どもを作る勉強をする』なんてルールを作ったんですか……。本当にその時が来れば、無理矢理にでもしてくれたらいいのに。私もそれくらいならきっと我慢できます」
「無理矢理とか、我慢って……それじゃ意味がないだろ?」

 なだめるような声を要さんが出す。
 そうされると、なんだか自分がどんどん情けなくなってくる。

 私は要さんに顔を向けた。
 要さんの顔がやけにぼやけて見えた。

「もともと意味なんて必要ないですよね。私たちは……好き同士で結婚したんじゃないんだから……」

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