S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「結婚は……いつか、しなければいけないんだろうなってことは、わかってます……。頭ではちゃんとわかってて。でも、それは今じゃなくて……」
私が言い淀むと、部長は追い込むように続ける。
「でも、見合いはさせられているんだろう。それも何度も」
「……なんでそのこと知ってるんですか」
私が言うと、部長はそれには答えずさらに言った。
「これからも見合いさせられて、そのたびに断るのか?」
「そうするつもりです。って、そもそも、部長には関係ないですよね!」
思わず怒鳴ってしまって、私は自分の発言と声量に、また自分で驚いてしまう。