S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 私が反論しようとすると、要さんは私の手を引いた。

「おいで。キミをソファなんかで眠らせるわけないだろ」

 そして、やや強引にベッドの上にのせられる。

「ちょっ……!」

 文句を言おうとしたところで、髪を撫でられ、私は驚いてその場に固まる。
 すると、要さんはクスリと笑って続けた。

「いろはは……これまで恋人は?」
「いませんでしたけど」
「だろうな」
「……」

(それが悪いですか!)

 しかも何よ、その言い方。

 とはいえ、要さんはいたんだろうな。
 そう思うと、何故か苛々とした感情が沸き起こってきた。

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