S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 そうだ。当たり前のように、『かわいい』だとか『大切だ』とか、そういうことを言われていた。
 それは結婚した相手へのリップサービスとか、そういう類だと思い込んでいた。

 これまでの要さんの甘い発言の数々を思い出し、それが本心からきたものだとわかると、急に顔がボッと熱くなる。

「……ま、全くって、わけじゃ……」
「いや、今のは俺の言い方が意地悪だった。すまない」

 そう言って、要さんは続ける。

「俺はいろはがかわいいよ。好きだと思ってる。家にいてほしいと言ったのは、仕事を辞めてほしいというよりは、他の男にキミを見られるのが嫌だからだ」

 要さんがそんなことを言って、私はまた目を見張った。

―――私を他の男に見られたくなかったって……。それじゃまるで……。

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