S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「だから大事なことを先に伝えていなかったのかもしれない」
私が困惑していると、要さんは私をぎゅう、と抱きしめた。
「好きだ。愛してる。いろはを愛してるから、こうして結婚したんだ。俺の気持ちだけは、信じてほしい」
その真摯な言葉に、やけに速く脈打っている要さんの心臓の音に、
ぐっと胸が掴まれる思いがする。
「……そ、そんなの」
言葉がそれ以上続かない。
何か言おうとしても、喉のあたりでつっかえて出てこなくなる。