S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
そんなことを考えていると、三堂さんが隣から
「いやーそれにしても、やっと通常業務に戻ったわね」
と微笑んだ。
私はほっとして頷く。
それから反対側の席を見つめて言った。
「でも、次は如月さんが忙しそうですね」
朝から如月さんを見ない。
どうやら急を要する対応に出ているようだ。
「少し面倒なことにね。社員同士のトラブルの仲裁ってやつに出てる。うちの課長とね」
「私、その手の業務はまだ引き受けたことないです」
「難しいし、万一に備えて各方面とタッグも組んで報連相は徹底しないといけないし……。だから他の部から異動して来た人が対応することが多いのよ。なにより、根気もいるしね。結構ストレスもたまるのよ」
三堂さんは言うと、気の毒そうに如月さんの席を見た。
三堂さんもその手のトラブルを解決しているイメージがあるが、そのたびにぐったりしている。三堂さんはいつも何でも難なくこなすタイプなので、それほど大変な案件なんだろうと思っていた。