S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

―――夜。

 寝室に入るなり、私がベッドに入れずにいると、要さんが、そうだ、とそのままベッドの上で話をしだした。

「出張?」
「あぁ、急だが、金曜に。最終には間に合わないから、土曜の朝一で戻る」

 要さんは週末、大阪に泊りで出張らしい。
 私は三堂さんと如月さんの話をしようと、決意する。

「あの……その日、三堂さんと如月さんと飲んできてもいいですか? まだ決定ではないんですが……」
「え?」
「誘われて……今、如月さんちょっと大変そうだし励まそうって」
「……三堂も、一緒か」
「そうです。……だめですか?」

 私が聞くと、要さんは少し考えた後、息を吐いた。

「夜には戻ること。それから、戻ったら連絡すること。いいか?」
「はいっ」

 私は思わず声が弾んだ。
 なんだかんだ三堂さんと話したい事、色々あったんだ。

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