The holiday romance
夢と現実
お昼ご飯は小樽運河の近くで取ることにした。
「回転寿司って行ったことある?」
「え?普通にありますよ。
てゆーかむしろ回転寿司しか行かないです。」
「そうなんだ。」
「もしかしてユキさん、回転寿司も初めてとか?」
やはりユキは違う世界の人間だとシンは思った。
「ね、ここで食べよう。
シンくんの奢りだよ。」
「いや、普通のお寿司でも良いですよ。
昨日も宿泊料払ってもらってるのに回転寿司じゃ…」
「ううん、回転寿司に行きたいの!」
ユキはシステムもよくわからないので
シンが注文して流れてくるお寿司をユキに取ってあげた。
「え?回ってるお寿司を勝手に取るんじゃないの?」
「取っても良いですけど注文して握ったばっかりのお寿司の方が出来立てで美味しいですよ。」
「そっか…。そんなことも出来るのね。
それにしてもみんな間違って他の人のお寿司取っちゃったりしないのね。不思議だわ。」
「ユキさん、そんなんじゃ1人で生きていけないですよ。」
「え?」
「あ、すいません。離婚するのかなって勝手に…」
「そうね…」
別れられたらどんなにいいかと思いながらユキは黙り込んでしまった。
「大丈夫。俺が色々教えてあげますから。」
「何言ってるの!
シンくんにはもっとステキな女の子が似合うわ。」
シンはさりげなくユキに拒まれて不安になった。
やっぱりユキはこの先、自分に連絡先すら教えないで消えてしまうんだろう。
シンは一体ユキは何者なんだろうと考えていた。
自分はとんでもない人に手を出してしまったんじゃないかと恐ろしくなったりもするが
目の前のユキがあまりに素敵なので
簡単に理性は失われてしまう。
こうして見ると上品で綺麗な女性って感じだけど
昨夜のユキはすごく色っぽくて淫らだった。
シンはそんなことを考えて箸が止まってしまう。
「もうお腹いっぱいなの?」
ユキに言われてふと現実に戻った。
「え?あ、いや。まだまだです。」
シンはまたユキにキスしたいと思いながらユキがお寿司を口に入れる動作を色っぽい目で見てしまう。
「シンくん?」
「あ、いや…ユキさんが食べてる姿見てたら…キスしたいなって思ってた。」
シンは自分の気持ちをストレートにユキに告げる。
「ご飯食べながらそんなこと考えてたの?」
「男なんて目の前にいい女が居たらそんな事しか考えてないですよ。」
シンの目はキラキラしていて
ユキにはとても直視できない潔さみたいなものがある。
後ろめたさを感じながらシンを見つめる自分の目は濁っているように思えた。
「シンくんは自由で素敵ね。」
「そうでもないですよ。
社会の荒波に飲まれて上がって来れないような男ですから。
でもユキさんに逢ってまた頑張ろうっ思えました。」
ユキもシンに力を貰っている気がした。
それどころか女であることの幸せみたいなものまでシンから貰っている。
「ユキさん、だから…」
シンが何かを言いかけてユキはそれを遮った。
これ以上シンの気持ちを聞くのが怖かったからだった。
「次はどこ行こうか?」
ユキはシンと居ながらふとハジメとのこれからの話し合いを考えてしまう。
電源を落としたスマホにはきっと何度もハジメから連絡が入っているだろうが、ユキはこの楽しい時間を邪魔されたくなくて放置したままだ。
まだもう少しだけと
シンと一緒に居たくて現実逃避する。
一方でこれ以上シンと一緒に居たらハジメのところへ帰れなくなってしまうのではないか?と不安になる。
そんな心の危うさみたいなものを感じ始めてユキは懸命に心にブレーキをかけた。
ただ今のシンにとってユキはもう自分の全てだった。
誰も信じられなくなり、1人で知らない土地にやってきたシンにとってユキがただ1人の味方だと思えた。
そして自分の心と体を癒してくれる目の前の美しいミューズは清楚でいて淫らで成熟してるようでまだ少女のようでもある不思議な魅力があった。
そして人妻との許されない恋という刺激的なスパイスがさらにシンの欲望を掻き立てる。
素性もよく知らないままお互い好きになってはいけないと思いながら恋に堕ちていく。
そんなシチュエーションがまるで映画やドラマみたいでハッピーエンドになるような気さえしている。
このままユキと簡単に別れられると思えなかった。
しかし現実はそんなに甘くは無い。
シンは夢見心地だが、ユキにはそれがわかっていた。
それでもユキは旅を続けた。
この夢のような出来事からまだ目覚めたくなかった。
「水族館ありますね。」
「あー、良いね。」
そして二人で思い切り小樽を堪能して
予約していた旅館に到着した。
「回転寿司って行ったことある?」
「え?普通にありますよ。
てゆーかむしろ回転寿司しか行かないです。」
「そうなんだ。」
「もしかしてユキさん、回転寿司も初めてとか?」
やはりユキは違う世界の人間だとシンは思った。
「ね、ここで食べよう。
シンくんの奢りだよ。」
「いや、普通のお寿司でも良いですよ。
昨日も宿泊料払ってもらってるのに回転寿司じゃ…」
「ううん、回転寿司に行きたいの!」
ユキはシステムもよくわからないので
シンが注文して流れてくるお寿司をユキに取ってあげた。
「え?回ってるお寿司を勝手に取るんじゃないの?」
「取っても良いですけど注文して握ったばっかりのお寿司の方が出来立てで美味しいですよ。」
「そっか…。そんなことも出来るのね。
それにしてもみんな間違って他の人のお寿司取っちゃったりしないのね。不思議だわ。」
「ユキさん、そんなんじゃ1人で生きていけないですよ。」
「え?」
「あ、すいません。離婚するのかなって勝手に…」
「そうね…」
別れられたらどんなにいいかと思いながらユキは黙り込んでしまった。
「大丈夫。俺が色々教えてあげますから。」
「何言ってるの!
シンくんにはもっとステキな女の子が似合うわ。」
シンはさりげなくユキに拒まれて不安になった。
やっぱりユキはこの先、自分に連絡先すら教えないで消えてしまうんだろう。
シンは一体ユキは何者なんだろうと考えていた。
自分はとんでもない人に手を出してしまったんじゃないかと恐ろしくなったりもするが
目の前のユキがあまりに素敵なので
簡単に理性は失われてしまう。
こうして見ると上品で綺麗な女性って感じだけど
昨夜のユキはすごく色っぽくて淫らだった。
シンはそんなことを考えて箸が止まってしまう。
「もうお腹いっぱいなの?」
ユキに言われてふと現実に戻った。
「え?あ、いや。まだまだです。」
シンはまたユキにキスしたいと思いながらユキがお寿司を口に入れる動作を色っぽい目で見てしまう。
「シンくん?」
「あ、いや…ユキさんが食べてる姿見てたら…キスしたいなって思ってた。」
シンは自分の気持ちをストレートにユキに告げる。
「ご飯食べながらそんなこと考えてたの?」
「男なんて目の前にいい女が居たらそんな事しか考えてないですよ。」
シンの目はキラキラしていて
ユキにはとても直視できない潔さみたいなものがある。
後ろめたさを感じながらシンを見つめる自分の目は濁っているように思えた。
「シンくんは自由で素敵ね。」
「そうでもないですよ。
社会の荒波に飲まれて上がって来れないような男ですから。
でもユキさんに逢ってまた頑張ろうっ思えました。」
ユキもシンに力を貰っている気がした。
それどころか女であることの幸せみたいなものまでシンから貰っている。
「ユキさん、だから…」
シンが何かを言いかけてユキはそれを遮った。
これ以上シンの気持ちを聞くのが怖かったからだった。
「次はどこ行こうか?」
ユキはシンと居ながらふとハジメとのこれからの話し合いを考えてしまう。
電源を落としたスマホにはきっと何度もハジメから連絡が入っているだろうが、ユキはこの楽しい時間を邪魔されたくなくて放置したままだ。
まだもう少しだけと
シンと一緒に居たくて現実逃避する。
一方でこれ以上シンと一緒に居たらハジメのところへ帰れなくなってしまうのではないか?と不安になる。
そんな心の危うさみたいなものを感じ始めてユキは懸命に心にブレーキをかけた。
ただ今のシンにとってユキはもう自分の全てだった。
誰も信じられなくなり、1人で知らない土地にやってきたシンにとってユキがただ1人の味方だと思えた。
そして自分の心と体を癒してくれる目の前の美しいミューズは清楚でいて淫らで成熟してるようでまだ少女のようでもある不思議な魅力があった。
そして人妻との許されない恋という刺激的なスパイスがさらにシンの欲望を掻き立てる。
素性もよく知らないままお互い好きになってはいけないと思いながら恋に堕ちていく。
そんなシチュエーションがまるで映画やドラマみたいでハッピーエンドになるような気さえしている。
このままユキと簡単に別れられると思えなかった。
しかし現実はそんなに甘くは無い。
シンは夢見心地だが、ユキにはそれがわかっていた。
それでもユキは旅を続けた。
この夢のような出来事からまだ目覚めたくなかった。
「水族館ありますね。」
「あー、良いね。」
そして二人で思い切り小樽を堪能して
予約していた旅館に到着した。