裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
私は何度も絶頂を迎え、寛也さんとの夢のような時間は終わりを告げた。


『寛也先生…私、幸せ』


『僕もだよ。これからも仲良くしよう。圭輔には内緒だからね』


寛也さんは優しいキスを落とし、それが私をキュンとさせた。


この年齢になってもまだキュンキュン出来るものなんだって、今さらながら知ってしまった。


知らないことが多すぎる平凡で真面目な自分の人生を後悔した。


圭輔を裏切った背徳感、こんな場所でした申し訳なさ、だけど、それ以上に私の心は幸せで満たされた。


家に帰ってから、私はボーッとしながら1人分の食事の支度をした。


ふと時計を見る。


圭輔は、今日は飲み会だから良かったけど、普段だったら残業以外の日ならもう帰ってる時間。


寛也さんは…もしかして今日は圭輔がいないって知ってたのかな?


だから私を?


ダメだ、食事の用意なんか手につかない。


食欲も…わかない。
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