裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
『ホテルの部屋で飲むのもいいな』


圭輔が言う。


『本当に~こんな素敵な場所でみんなで飲めるなんて嬉しい。楽しみね、祥子さん』


新川さん、そんな無邪気に言わないでよ。


『…うん』


顔面蒼白になっているのが自分でもわかる。


食事を終え、レストランを出て部屋に向かった。


廊下を歩く間、緊張で汗が止まらない。


そして、寛也さんは立ち止まった。


今、カードキーで開けている部屋、それは紛れもなくいつもの部屋だった。


寛也さんと私だけの特別な場所。


なのにどうして?


中に入り奥まで進むと、当たり前のように見慣れたベッドが視界に入ってきた。


私は、この目の前のベッドでいつも寛也さんに抱かれてる。


何度もここで、私は寛也さんにイカされ、最高の瞬間を迎えてたんだ。


そんな恥ずかしい場所なのにどうして?


不信と疑問しかなくて動揺が隠せない。
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