裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
『明日仕事だよな?』


夜の生活が終わり、パジャマを整えながら聞かれた。


『うん、圭輔、検診だよね。寛也先生が待ってるって言ってたよ』


私達のかかりつけの内科医院で圭輔のいとこが働き出したからと、その人を紹介された時は衝撃を受けた。


あまりにも眩しくて素敵な男性だったからだ。


寛也さんがそこで働き始めたことは、全くの偶然だった。


『寛也、やっぱすごいよな。内科医なんてな。それにあの病院に勤務になるなんて本当に驚きだよな。あいつ、昔から頭良かったけど、まさか医者になるなんて思わなかったよ』


『圭輔さんのいとこなんだよね?』


『俺の父親の妹の子。俺と同じ年だから学生の頃はたまに遊んだけど、あいつが遠くに引っ越してからはずっと会ってなくて』


『そうなんだ』


『おばさんの家族がこっちに戻ってきてから、たまに寛也と会うようになって、医者になったって聞いたんだ』
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