裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
『さ、もう寝ようか。俺は昼前くらいに病院行くから』


『圭輔は休みだもんね、ゆっくり休んで。疲れが溜まってると思うから』


『ああ。ありがとうな、祥子』


『うん、おやすみ』


電気を消して、私は隣のベッドに滑り込んだ。


布団を被り、圭輔を背にして眠ったフリをしたけど、寛也さんの学生時代のことを考えるとなかなか眠れなかった。


いったいどんな子と付き合っていたのかが、どうしても気になる。


可愛いって、どれくらい可愛かったの?


スタイルは?


どんな風にデートしたのか、どこに遊びにいったのか?


それに…


1番気になるのは、その子とはエッチしたのかってことだった。


したとしたら、えっ、最後まで?


嘘…


嫌だ、想像したくない。


寛也さんが他の子としてるとこなんて。


溢れ出す思いが私の眠りを妨げ、不安と怒りさえ覚える。


旦那以外の人のことをここまで考えてしまう自分が…ちょっとだけ怖くなった。
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