涙色の死神と巫女と妖怪と
ケラケラと笑いながら、菫はそう言った。

「でも、僕らだけで行けそうだよね。次、皆が予定が合う日、3人で遊びに行く?」

「お!良いねぇ……ボク、紫乃と瑠依と遊ぶ時以外は大体家に引きこもってるだけだから、いつでも大丈夫だよ」

「僕も特に予定ないし……いつでも」

「どうしようかな……」

瑠依はカレンダーに目を移し、都合のいい日を2人に伝えた。



数日後、電車に乗って目的地の最寄り駅に降りた瑠依たちは、初めて見る町並みに辺りを見渡した。

「……えっと、ショッピングモールはあっちみたいだね」

スマホの画面を眺めながら、紫乃はショッピングモールがあるであろう方角を指差す。

「よし、行こうか」

菫の言葉に瑠依と紫乃は同時に頷くと、歩き始めた。

「……」

歩いている途中、瑠依は悪霊の気配を感じ、立ち止まる。

「紫乃」

同じく悪霊の気配を感じた菫は、紫乃を呼び止めた。紫乃は、立ち止まってから瑠依たちの方を見ると首を傾げる。

「悪霊の気配だ。恐らく、もうすぐでこの近くに現れる」

菫が言い切った瞬間、瑠依が予想していたよりも遥か強そうな悪霊が現れ、紫乃は「何だよ、あの悪霊……」と後退った。瑠依と菫も、悪霊の圧に気圧され、後退る。

『瑠依、気を付けろ。あの悪霊、強いぞ』
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