涙色の死神と巫女と妖怪と
「仕方ない。誰かにショッピングモールへの道を聞くしかない……その前に」
瑠依はカバンから1枚の細長い紙を取り出すと、空中に投げる。ポン、と煙が上がり、鷹が姿を現した。
この鷹は、瑠依が幼い頃に陰陽師である瑠依の母親から渡された式神である。瑠依は、悲しいことに携帯を家に忘れてきた……のである。
「……ごめんだけど、紫乃と菫にショッピングモールの入り口で待ってるように伝えてくれる?」
鷹は頷くと、紫乃と菫がいるであろう方角へと飛んでいく。瑠依は、携帯を持ってくるのを忘れてしまったことを後悔した。
「……とりあえず、誰か探さないと」
瑠依はそう呟くと、歩き始める。誰かと会うわけでもなくしばらく歩いていると、瑠依は鳥居を見つけて立ち止まった。
「……神社……か。もしかしたら、誰かいるかも」
そう呟いて、瑠依は神社へと向かう。神社の中では、巫女姿の女の子――神条沙月(しんじょうさつき)が掃除をしており、瑠依は道を尋ねようと沙月に近付いた。
「あの、すみません……道をお尋ねしたいのですが……」
沙月は掃除をしていた手を止め、顔を上げる。そして、「どうされました?」と笑顔を向けた。
瑠依はカバンから1枚の細長い紙を取り出すと、空中に投げる。ポン、と煙が上がり、鷹が姿を現した。
この鷹は、瑠依が幼い頃に陰陽師である瑠依の母親から渡された式神である。瑠依は、悲しいことに携帯を家に忘れてきた……のである。
「……ごめんだけど、紫乃と菫にショッピングモールの入り口で待ってるように伝えてくれる?」
鷹は頷くと、紫乃と菫がいるであろう方角へと飛んでいく。瑠依は、携帯を持ってくるのを忘れてしまったことを後悔した。
「……とりあえず、誰か探さないと」
瑠依はそう呟くと、歩き始める。誰かと会うわけでもなくしばらく歩いていると、瑠依は鳥居を見つけて立ち止まった。
「……神社……か。もしかしたら、誰かいるかも」
そう呟いて、瑠依は神社へと向かう。神社の中では、巫女姿の女の子――神条沙月(しんじょうさつき)が掃除をしており、瑠依は道を尋ねようと沙月に近付いた。
「あの、すみません……道をお尋ねしたいのですが……」
沙月は掃除をしていた手を止め、顔を上げる。そして、「どうされました?」と笑顔を向けた。