不妊の未来

茉由「ただ余計なこと言うな、どれだけ知識を得ても技術を学んでも結果が伴わなければ意味がないんだ、って嫌な顔をされたことは何度もありますよ。それに家庭を犠牲にしちゃっています」

あまりに褒められるものだから茉由は照れくさくてマイナス面を口にした。

でも看護師は首を横に振る。


看護師「そのバランスの取れたお弁当見れば家庭を犠牲にしてるなんて思わないわよ」

茉由「これは…」


茉由は妊娠するために体にいいものを、と思って作っているだけで、理玖がこのお弁当で満足しているかは分からない。

意味を理解してほしいとは思っているけど。


看護師「鷲尾さんのご主人は幸せよ」

茉由「そうでしょうか?」


昨夜のことがあって不安のある茉由は杏菜の話題がズレてしまっていることに申し訳なさを感じながらも看護師に聞き返した。


看護師「当たり前でしょ。仕事が出来て、美人で、家事も疎かにしない。こんな完璧な嫁なかなかいないわよ」

杏菜「でもそれって逆にプレッシャーじゃないですか?」


会話に加わってきた杏菜。

茉由は杏菜の方を見て続きを話してくれるよう促す。


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