不妊の未来
○回想(寝室夜)
茉由「一度検査を受けてみない?」
茉由の仕事が胚培養士ということもあって、前から仕事の話を含めて理玖には世間話的に話しをしていたから、詳しいことを話さなくても通じる。
ただ、自分たちのこととなると話は違うようで、理玖は首を縦に振らない。
理玖「俺は別に急ぐ必要ないと思ってる。このまま自然に任せよう?」
分かった、と言ってくれることを期待していた茉由は困って閉口してしまった。
見兼ねた理玖が言葉を重ねる。
理玖「自然に出来ないならそれはそれでふたりの人生を楽しめばいいんじゃないか?その選択肢は茉由にはない?」
茉由「……」
理玖「俺は茉由とふたりだけの人生でも全然構わないよ。それとも茉由は子供がいないといや?俺と結婚したのは子供が欲しかったから?」
ずるい言い方だと思ったけど、理玖が言えば茉由は首を横に振る。
茉由「理玖さんのこと好きで結婚した」
理玖「俺も茉由が好きだよ」
理玖は茉由の体を抱き寄せ、キスをした。
そして茉由の不安が少しでもなくなるようにと優しく抱いた。
回想終了