不妊の未来
茉由「なっ?!なんですか?!」
大和「僕を見て。僕のことを好きになって。そして僕の子供を産むか、子供を諦めるか。今すぐ…は無理だろうから二ヶ月後までに決めてください」
なぜ二ヶ月しか考える時間がないのか。
首を傾げると大和は茉由の疑問を感じ取り答えた。
大和「早いに越したことはないので。できることなら今からでも体の相性を見てみたいところですが」
大和の視線が茉由の体を這う。
それから妖艶な瞳に見つめられ、茉由の顔は一気に熱くなる。
大和「ハハ。真っ赤だ。可愛い」
大和の言葉に茉由の顔はさらに熱くなる。
茉由の熱い頬に大和の手が触れた。
大和「やっと僕を意識してくれましたね」
茉由「え?」
大和「僕がどれだけ密かに想っていたか、これから伝えていかないと」
大和は優しい瞳で茉由を見下ろす。
理玖とは全然違う、真っ直ぐ愛おしそうに茉由を見つめる視線に茉由の心が揺れ動く。
でも理性がきちんとダメだと止める。
大和の視線から逃れるように視線を下げた。
その瞬間、大和が茉由の体を抱きしめた。
茉由「ちょ、ちょっと先生?!誰かに見られでもしたら大変です」
離してくれるよう身動ぐ茉由。
でも大和はさらに力強く茉由を抱き締める。
大和「誰に見られてもいい。今日ここに来てよかった。話を聞けてよかった。もう他の男になんて渡さない。茉由に子供を授けられるのは僕だけだ」
珍しく大和の語気が強い。
茉由を抱きしめる腕にも力が込められて、ここまで言わせて、動揺しないはずがない。
でも、こんな展開が待っていたなんて誰が想像出来ただろう。
困惑する茉由の体を大和は離し、優しく微笑みかけた。
大和「必ず幸せにすると誓います」
茉由「そんな……」
ただでさえ理玖との関係が複雑化してしまっているのに、大和のことまで考えないといけないなんて。
もうなにから考えていいのか分からない。