不妊の未来

○回想

居酒屋で、学生時代の友人に誘われ参加した食事会。

茉由と理玖はそこで出会った。

美人で、落ち着きがあって、人の目をまっすぐに見て話を聞いてくれる茉由は食事会に参加した男性からの一番人気。

対する理玖もハイスペックで容姿もそこそことあって女性からの人気を得ていた。

だからその場ではお互いに他の面々と話すことに必死で、会話をすることはなかった。

でも理玖は茉由のことが気になり、後日友人を通じて食事に誘うと、茉由は快く応えてくれた。

茉由「お話ししてみたいと思っていたんです」

気になっていた茉由に言われて気持ちが舞い上がる理玖。

いい歳して、と言われそうだけどその瞬間、茉由を自分のものにしたいと強く思い、今までの経験をフルに活用して茉由に猛アピール。

誰にも渡したくなくて、法的手段のある結婚を急いだ。

理玖「仕事は茉由が好きなようにしていい、家事は俺も手伝うから結婚してください」


出会って半年で結婚を決めた。

結婚式の時、茉由の友人が「ステキな旦那様ね」と理玖を誉めた。

それに対して茉由は。

茉由「私にはもったいないくらいの人なの。だから嫌われないようにしなきゃ」

はにかんだ笑みと共に答えていた。

それを見聞きして理玖は思った。

嫌われないようにしなきゃいけないのは理玖の方だと。

回想終了

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