不妊の未来
○茉由自宅続き
でも今は嫌われてしまっている。
茉由が離婚を口にするほど追い詰められているとは思ってもみなかった。
理玖にとって子供は必然ではないのに、茉由は違ったのだ。
でも理玖は考えを改めるつもりはない。
子供のことは茉由に話した通り、もし理玖に原因があったらと思うとやりきれないから。
茉由にツラい思いをさせることもしたくなかった。
身を削ってまで子供をほしいとはやはり思えない。
理玖は本当に心から茉由さえいてくれればそれでいいと思っているのだ。
ただ女性として、母親なる権利を茉由から奪えないとも思う。
理玖「きっと別れるのが茉由のためなんだろうな」
理玖の小さな声は静かな部屋に吸い込まれて消えた。