不妊の未来
不妊治療に関わる仕事をしていながら、結婚したら子供を授かるのが一般的だと茉由自身は思っていた。

だから子供が出来て当たり前だとも。
つまり子供を欲することの理由は理玖に伝っていない。

杏菜「まずそこからじゃないですか?」


茉由「そうかもしれないね」

思い詰めた表情の茉由に杏菜がおどけた口調で言う。

杏菜「なーんて!その道のプロの先輩相手に患者対応しちゃいました!テヘッ」

ぺろっと舌を出した杏菜に茉由は微笑み、お礼を言う。

茉由「ううん。ほんと、その通りよ。ありがとう」

杏菜「いえいえ。お礼を言われるようなことはなにも。ていうか、ここのパフェ美味しいんですよ。学会終わったら食べに行きませんか?」

杏菜は旅行誌を捲り、スイーツの話題に変えた。

その誘いに乗る茉由。

茉由(今日くらいは理玖のことを考えずに楽しもう)

杏菜と一緒に旅行誌に目を通していく。


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