不妊の未来
第二章
○茉由自宅(夜)
駅近郊にあるマンション。
白を基調とした部屋で、余計なものを置きたくないという理玖の意向からホテルのようにシンプルに、必要最低限のものしか配置しない生活感のない部屋。
茉由「ただいま」
忘年会から帰宅する茉由を旦那の理玖が出迎える。
理玖「おかえり。早かったな」
理玖のワイシャツに茉由が目を向けると、視線に気づいた理玖がワイシャツの袖を少し捲りながら言う。
理玖「今、帰って来たところなんだ。人手不足で仕事が終わらなくて」
茉由「食事は?」
理玖「これから作る」
茉由は荷物を置き、手を洗う。
茉由「私が用意するよ。理玖さんは先にお風呂入ってきて」
理玖「疲れてるだろ?今日忘年会だったんだよな?」
茉由「うん。でもあまり食べられなかったの。だから小腹が空いちゃって」
お腹を押さえる茉由に、理玖はフッと微笑んでから茉由の髪をくしゃっと撫でた。
理玖「茉由は大食漢だもんな。ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて先に風呂入ってくるわ」