不妊の未来
今更ながら、なぜこのようなことになっているのかと茉由は困惑してしまう。

茉由「と、とりあえず飲み物を注文しましょうか。大和先生は同じ日本酒でいいですか?」

大和「えぇ」

大和の返事を確認次第、日本酒と適当におつまみを追加注文した茉由は、出てきた料理を取り分けていく。

その間も大和の視線をひしひしと感じていて。

茉由「あの。あまり見ないでもらえますか?」

さすがに限界で訴えた。

大和「なぜ?」

茉由「あまり見られ慣れていないもので。気恥ずかしいです」

大和「その恥ずかしがる姿も可愛くてたまらないんですよ」

そう言われて茉由の頬はカッと熱くなり、大和から露骨に顔を背けた。

すると大和の手が茉由の頬に触れ、驚いて大和の方を向く茉由。

見つめ合う形になり、茉由の鼓動は加速する。

茉由「あの」

離してもらえるよう目で訴える茉由。

でも大和は手を離さず、茉由の目、頬、唇にそっと触れていく。

大和「潤んだ瞳。白い肌に赤く染まる頬。柔らかな唇。全てが愛おしい」

大和の低い声と熱を帯びた瞳が茉由の全身を熱くする。

色気を醸し出す大和の大人な雰囲気に飲まれそうになる。

でも茉由は大和の手を取り、そのまま自身の顔から離した。

茉由「こういうことは…私、既婚者なので」

大和「知っていますよ。でもこんな綺麗で艶っぽい茉由を見て欲情しない方がおかしいでしょう?」

大和の熱を帯びた瞳が茉由を捉えて離さない。
茉由もいつのまにか視線を外せなくなっていた。

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