不妊の未来
大和「このまま連れて帰りたい」
茉由「それはさすがに」
茉由は首を横に振る。
茉由「先生、お酒はやめてお茶にした方がいいですよ」
大和「このくらいの量じゃ酔いませんよ」
茉由「でも」
いつもと違う大和に茉由はお酒の影響としか思えない。
それを違うというのなら、茉由の頭にひとつ聞きたいことが浮かんだ。
茉由「どうして主人とのこと。どうなっているか聞かないんですか?」
大和「聞いてほしいですか?」
質問に質問で返されて茉由は困り、閉口してしまう。
見兼ねた大和が言葉を重ねる。
大和「僕は大前提としてあなたが幸せならそれでいいんです」
茉由「先生が傷つくことになっても?」
大和「あなたが既婚者だって知った時にすでに傷ついていますから」
大和は眉根を寄せて笑った。
茉由は大和の切ない表情を見て、胸がキュッと締め付けられた。
茉由だけを想う、優しい大和の心にも胸打たれた。