妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
「連絡が・・いっていなかったのか・・・」
男が独り言のように言って

「俺は、変な奴じゃないけど・・・」

リュックから、パスポートを取り出して、
天音に向かって、差し出した。

「俺は、
ここのホテルの調査で来た。
君はこのホテルの人?」

「はい・・」
パスポートの色は、日本ではない。

この人は、外国の人?
調査って・・
この人が?

「あのぅ、今日は来れないって、
キャンセルの連絡を、いただきましたが」

天音は、まだ警戒モードを崩さない。

「ああ、飛行機が遅れて・・・
無理かなって思ったんだけど、
無理してきちゃった」

男は白い歯を見せて、笑った。
「ヒッチハイクしたら、
うまいぐあいに、
こっちに帰るトラックに、
のっけてもらえてさ」

天音は、この男の対応をどうしようか、
考えあぐねていたが・・・

「自己紹介が、まだだったな。
名刺はないけど」
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