妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
「こわいよぉ、
一人でトイレに行けないよぉ?」

久遠に、いきなりの寝技に持ち込まれ、
天音は、足がしびれて動けない。

「座敷童は・・怖くないです!」
と、トンチンカンな返事をしてしまった。

「こえーよぉ・・天音ちゃん、
俺を一人にしないでぇ・・」

がっちりと、腕をホールドされている。

天音も日本酒のせいで、
脳みその回転が、うまくいっていないのだろう。

「うちはぁ、そういうサービスは、していません!!」

ここはお化け屋敷か?
それともデリヘル斡旋か?

どちらでもない。
酔っぱらった頭で、しびれた足で、ジタバタ抵抗していると、
ふっと久遠の腕が緩んだ。

「ふへっ?」

久遠は目を閉じていた。
「おい、おい、おい」

天音は肩をゆすったが、起きる気配がない。
泥酔して、眠っている。

「あああーーー、まったくぅ」
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