妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
「あーーー、そういう意味ね。」

久遠はクスクス笑い、
思い出したように

「君は・・酒の臭いがした」

「はぁーーー?
それって、酒臭いって事じゃないですかぁ!!」

天音は真っ赤になって、大声で叫んだ。
わぁーーーと叫んで、
走り回りたい・・・と思ったが

<査定額>、
<査定額>
マジックワードが、浮かんだ。

この人は、お客様なのだ。
お友達ではない。

天音はぐっと、熱いマサラティーを、飲み込んだ。

女将は、どんなトラブルにも冷静に、対応しなくてはならない。

立て直しをしなくては・・・

「あの、食事が終わったら、
色々と、この付近の見どころを、ご案内します」

天音は、マサラティーを一口すすり、やや上目遣いに、久遠を見た。

「そうだね、写真も撮りたいし、
インスタにあげるよ」

久遠は、また唇を尖らせて、
カップをフーフーしている。

このインターナショナルな男は、
よくわからない生物だ。
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