妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
別の来訪者
パパァーーーーンン
道の方で、
クラクションの大きな音。
「クオーーーン、
いるかぁーーー」
「ああ、さっそく来たな」
久遠はすぐに、部屋から出て行った。
天音は急いで、着物や帯を片づけ始めた。
旅館のロビーに天音が行くと、
外国人の男4人、女3人が、
ワイワイ大声で、しゃべっている。
男たちはTシャツ、ジーンズ、
女たちはキャミに短パンで、
美尻、美脚、豊胸を強調している。
「おーーい、天音ちゃん、
皆に紹介するよ」
天音は、受付カウンターに、
隠れるように身をひそめていたが、久遠がすぐに見つけた。
天音の手首をぐいっと、
引っ張って連れ出した。
「ヘイ、彼女が、
このヨーカイホテルのオーナーだ」
全員の視線が、天音に集中した。
ヒューとか、ピーと指笛が鳴る。
それは、「すげぇなー」という、
リアクションであるのは、わかった。
天音は<ううう>と思いながらも、丁寧に頭を下げた。
「オウ、ゴーストホテル!」
いや、もうゴーストは、
いないのだけれど・・