妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
リッジモンド・・・
確か、パスポートに、あった名前だ。

「日本では、まだ、なじみのない会社ですが、欧米では、
老舗ホテルチェーンで有名な会社です。
今は、世界各地に展開しています」
近藤は、微笑んだ。

「ここは純粋に・・
昔からの日本旅館ですね。
エキゾチックで、旅行者受けするって、久遠が言っていました。

インバウンド需要が広がる中、
妖怪ホテルは、インパクトがある・・」

近藤は再び、天音を見て
微笑んだ。

「ええ、でも、その話は明治の、
この建物の、前の旅館の話ですから」

「そうですか・・
でも庭も広大だし、温泉、
露天風呂もあるのですね」

近藤はスマホを出して、
スクロールして確認している。
たぶん、久遠が送った画像だろう。

「ここを、とても久遠が、気に入っていて・・
今後の売却について、
問題があれば、法務について、
ご相談にものりますので。」

そう言って、
近藤はボールやざるを抱えた。

「ありがとうございます」
天音は頭を下げた。
この人は、信頼できるのだろうな・・・
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