妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
「ここを、ちょっとやられて・・」
久遠は、自分の腹の肝臓あたりを、ポンポンと叩いた。

「早く、お元気になられるといいですね」
天音が、少し微笑んで言うと

「今週末には退院するんだ。
もう、大丈夫だ」
久遠はそう言ってから

「俺、聞きたいんだけど、
なんであの旅館、売らないって
決めたの?」

少し、ふてくされている、
すねているような顔をした。

「あの場所が、私の故郷ですから・・」
「そうなのかぁ・・」
久遠は残念そうに言った。

「俺があそこを買ったら、
君もついてくると、思っていたんだけどな」

はぁ・・・何それ?・・
おまけみたいに、言ってるんですけど?

久遠は、いたずらをして、
叱られるような子どもの顔をして

「天音ちゃん、見たよね。
俺とエミリアが、キスしているところ・・・」

肯定か、否定か、
なんと言ったら、よいのだろうか?
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