妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
「あらぁ・・話が違うな?」
男は目を細めて、リュックから
書類を出した。

天音は、不審者かどうか・・・
判断しようと思った。

髪色は黒だが、天パのせいか、
ウェーブがかかり、長く後ろで
束ねている。

顔立ちは、彫りが深めで、
鼻筋が通り、彫刻のように完成されている。

二重のくっきりとした目だが、
伏せるとまつ毛が長く、影を落とす。

端麗、でも辛口ではない・・・
きりっとはしていない。

小麦色に日焼けして、
背中に麦わら帽子をしょっている。

よれよれのTシャツと、ダメージジーンズは、相当年季が入って、洗濯をしていなさそうに見える。

ついでにビーサン、裸足ときている。

美形の放浪者、
いや、浮浪者・・・
と言ったイメージだ。

天音は、警戒モードをワンランク上げる。

「あの、ここは私有地なので、
立ち入り禁止です。
出て行ってください」
きっぱりと言い放った。
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