叶わぬ恋だと分かっていても
 なおちゃんがわざと剥き出しにした私の耳を()むようにしながら器用に外してくれたお気に入りのチェーンピアスは、結局裸のままテレビの前に並べ置かれた。

 それをぼんやり見るとはなしに眺める私を、なおちゃんがそっとベッドに組み敷く。


 ――お腹、空いた……。

 そろそろ21時になろうという頃。
 そういえば夕飯がまだだけど、食べられるのは何時になるかなぁ。

 なおちゃんの指先がブラのホックを外したのを感じながら、ふとそんなことを思う。

 なおちゃんはご飯、食べたのかな?
 それとも――。

 彼も夕飯がまだなのに、食べ物よりも私を先に食べたいと思ってくれたんだとしたら……すっごく嬉しい。


「あ、ぁんっ」

 敏感な果実ごと胸の膨らみを大きく開けた熱い口の中に含まれて、私は自分でも分かるぐらい甘ったるい声を上げる。

 そうしながら、私はなおちゃんの(たかぶ)りを確認するように、そっと彼の下腹部に触れた。



 ――お願い、なおちゃん。食欲よりも強く貪欲(どんよく)に私を求めて……身のうちに巣食う罪もろとも痴情の炎で焼き尽くして?
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