叶わぬ恋だと分かっていても
 何度果てて、何度イかされたかもう分からない。

 なおちゃんも、一体何回ゴム越し、私の中で果てたんだろう。



「――すごく贅沢だよね」

 私の中で熱い脈動を感じさせてくれた後、なおちゃんがやっと身体を放してくれて。

 なおちゃんが私の中からいなくなる瞬間、私の(なか)の女の部分が、それを許せないみたいに彼に絡みついてギュッと収縮したのが分かった。

 その感触の生々しさに、思わず「はぁ、ン……っ」と甘ったるい吐息が漏れて、
菜乃香(なのか)、色っぽい」
 クスッと笑いながらなおちゃんに言われた私は、恥ずかしさに「だって……」と唇をとがらせた。



「ホント、すっごく贅沢な時間だ」

 ジンジンと甘いしびれを伴う腫れぼったさと、熱を感じさせる下腹部の感覚に、さすがに限界を感じ始めていた私は、今度こそ終わったのかなと少しだけホッとして。

「贅、沢?」

 ぼんやりとした頭で、再度繰り返されたなおちゃんの言葉をつぶやくように口の端に載せる。

 そうしながらノロノロと頭をもたげて背後を振り返った私は、なおちゃんが新たなスキンを開封しているのを見て、思わず息を呑んだ。

「まだ……す、るの?」

 およそ私よりひとまわり以上も年が離れているとは思えないほど、なおちゃんは絶倫なのだ、と今更ながら思い知らされる。

「さっき言っただろう? 菜乃香(なのか)とは何回だって【できる】気がするって。それに――」

 そこで身動きがままならない私の腿をほんの少し抱え上げるようにして、なおちゃんが私の中へ分け()ってきた。

「あぁ、んっ」

 もう無理だ、と思っていたはずなのに、私となおちゃんはまるで鍵と鍵穴。

 【そこ】になおちゃんが【居る】ことのほうが、まるで常態みたいに私の穴は貪欲に彼を飲み込んで、すぐさまピッタリと肌が馴染んでしまう。
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