叶わぬ恋だと分かっていても
「――こんな風に菜乃香(なのか)を朝も昼も夜も考えずに抱くことが出来るなんてすごく贅沢だと思わない?」

 いつもなら、どんなに激しく求め合って気怠く疲れ果てたとしても、なおちゃんは奥さんとお子さんが待つ家に帰らなければならない。

 それを考えなくていいというのは、制約の中でしかお互いを愛することのできない私たちにとって、確かにとても贅沢な時間に思えた。


「私も――」

 同じ気持ちだよ、って答えようとしたら、まるでそのタイミングを見計らったみたいに、なおちゃんが赤くぷっくり膨らんだ私の陰核と、ずっと勃ち上がりっぱなしの乳首を指の腹で優しく押しつぶすように可愛がってきて。

「やぁ、んっ。ダメぇっ。いま、そ……んなことされたら、私またっ――」

「何度でもイけよ」

 なおちゃんの甘く(かす)れた声に(そそのか)されるように、私の身体はビクッと跳ねて、目の前が真っ白に染まった。

 何度もイかされた身体は、ほんの少しの刺激で、いとも簡単に昇り詰めてしまえるんだって思って。


「なおちゃ、もぉ、ホントに……」

 無理ぃっ……と言いながら、私はビクビクと身体を震わせた。
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