叶わぬ恋だと分かっていても
*毒を食らわば皿まで
 結局なおちゃんとは別れられないまま。

 今まで通りの関係に戻ってしまった。

 ただ、ひとつだけ変わったのは、私がアパートを引き払って実家に戻ることになったことだ。

 私の不貞行為を心配したお母さんから、「なのちゃん、家に帰ってきなさい」と言われてしまったから。

 お母さんにはきっと。
 母親の勘で私がそう簡単に泥沼から抜け出せない人間だと分かっていたんだと思う。

 なおちゃんとの関係を精算できないままの、後ろめたさ満載の私は、お母さんの言葉に従って実家に戻ったのだけれど――。



 じゃあ反省してなおちゃんと会う頻度が下がったのか?というとそういう事は全然なかった。

 以前のように、仕事後に大型ショッピングモールの駐車場で待ち合わせをして、なおちゃんのスモークバリバリ・車内が外からは一切見えないワンボックスカーの後部シートで、他愛のない話をしながらイチャイチャする日々。

 平日は毎日のように車の中でエッチすると言うのも変わらないまま。

 週末はホテルに行ったり、高速を飛ばして少し遠くまでお出かけしたり。
 でも何をしていても、私たちの逢瀬には必ずセックスがセットだったの。
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