叶わぬ恋だと分かっていても
 痛い!と悲鳴を上げるたび、なだめるみたいに秘芽に刺激を与えられ、ついでのように膣内(前の方)にも指が差し入れられ掻き回される。

 さっき後孔をほぐした方とは反対の手指を使ってくれているのは、感染症を懸念してのことだと思う。

 そのくせ自分は避妊具なしで私のお尻に猛り狂った欲望を打ちつけてくるとか……。

(なおちゃんこそ、そんな真似して病気にならないの?)

 矛盾している行為なのに、痛みと快感とでごちゃ混ぜになった私には、もう何が正しくて、何が間違っているのか、さっぱり分からなかった。

 何度かなおちゃんが抽挿を繰り返すうち、あんなに痛かったはずの後ろの穴での行為が、痛みを伴わなくなっていって。

 だからと言ってそこを犯されることに快感なんて微塵も見出せなかったのだけれど、最初に感じた痛みと、今、私、生で(じかに)彼を受け入れているんだと言う事実が、麻薬のように脳内を満たしていくのが分かった。

「くっ、菜乃香(なのか)っ、……俺、もうイクっ」

 膣ほど敏感ではないのかな。

 後ろでなおちゃんが欲望をぶちまけたけれど、私は生理中に感じたような、下腹部が内側からキュンキュンうねるような心地よさは感じなかった。

 ただ、彼のものが中でビクビクと痙攣しているのは何となく分かったけれど、本当にそれだけ。

 初めて捧げた後ろの純潔は、終わってみれば「こんなものなの?」程度の気持ちしかもたらさなかった。
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