叶わぬ恋だと分かっていても
 ただ、膣内で彼の性液を受け入れた時と違ったのは、しばらくしてお腹が痛くなったこと。

 きっと、直腸内に出された彼のものが刺激になって、お腹を下したんだと思う。

 以後、まるでタガが外れたようになおちゃんが私のお尻を犯すたび、行為のあとでのトイレ籠城(ろうじょう)はセットになってしまった。

 彼を受け入れるのも痛い。
 出されたあとも苦しい思いをさせられる。

 そんな思いをしても、私が彼の求めに応じてお尻での行為を受け入れていた理由。
 それはひとえに痛みを伴うセックスが、私の中の背徳感を刺激したからに他ならない。

 お尻でのエッチは、何度経験してもまるで初めてみたいに痛くて。
 どんなに丁寧にほぐしてもらっても、なおちゃんのモノが私を貫く瞬間は、必ず目尻に涙が滲んでしまうくらい痛かった。

 出血こそしなかったけれど、相当お尻の穴に負担をかけていたんだと思う。

 でも、そう言う諸々の苦痛を我慢して彼に従順に尽くしていると思うと、そんな自分が何だか無性に愛しくて……。
 私は多分、痛みに耐える自分に酔いしれていたんだと思う。


菜乃香(なのか)。痛いのにいつも俺を受け入れてくれてありがとう」

 彼にもそれが分かっていたんだろうな。

 後ろでの行為のあとのなおちゃんは、普通のエッチをした時よりも数倍私を甘やかしてくれるから。

 なおちゃんの逞しい腕に抱かれて、私はその時だけはお母さんの病気のことを忘れて、幸せな気持ちに包まれることが出来た――。
< 141 / 242 >

この作品をシェア

pagetop